高齢化時代に向けた家づくりは、誰にとっても優しい家づくり
先日テレビを見ていたら、日本社会の高齢化が特集されていました。
今の日本では全人口の25%以上が65歳以上の高齢者であり、さらに
15%近くは75歳以上だそうです。
ちなみに50年前、65歳以上の人口は、総人口の7%程度だったそうです。
このように今では日本人の4人に1人が65歳以上の高齢者なんですね。
と言っても、65歳以上でバリバリ働かれている方がたくさんいらっしゃる
以上、もはや高齢者=65歳以上というのもいかがかという
感じもしますが。。。
私たちの住宅業界でも、高齢者にやさしい家づくりというものが1つの課題と
なっており、高齢者向けの仕様=バリアフリー住宅に関して、最近は
お客様からお問い合わせも多く頂戴します。
当社に家づくりをお任せいただける方の中で、最も多いのは30代の子育て世代、
次に多いのが50~60代の建て替え世代です。
建て替え世代の方はやはりご自身たちにとって暮らしやすい家をと、
また30代の方の中で親御様と同居される方からは親御様のためにと、
バリアフリーの仕様に関心を持たれます。
親御様と同居されない30代の方も、多くの方が組まれる住宅ローンを
払い終える頃には50代60代です。その時の暮らしを視野に入れて、
今からバリアフリーを見込んだ家づくりの相談をされる方が最近では多いです。
では、高齢者にやさしい家づくり・仕様とはどのようなものがあるでしょうか。
以下は、当社でお客様からご相談を受けた際に対応している、
高齢者向け仕様の一例です。
<玄関周り>
・玄関ドアを車いすが出入りできるよう、幅90cm以上確保
・玄関を車いすが出入りしやすいよう、上がり框の段差を低くする
・アプローチ部分に手すりを設置する
<廊下>
・車いすでの生活を考慮し、廊下幅を90cm以上確保する
なお車いすの幅は、基本的に70cm以下なので、車いすが通る廊下の
幅は90cm以上が通過しやすい幅です。ただし、廊下で車いすと人が
すれ違うためには120cmほどの幅が必要です。また曲がり角のある廊下の
場合は、車いすを回転させる必要があるため、140~150cmの幅が望ましいです。
・車いすでの生活を考慮し、へこみや傷のつきにくい、強度の高い床材を使用する。
・歩きやすいよう、廊下の壁に手すりなどを付ける。
他にも、そもそも廊下のない間取り配置というのもご希望に合わせて
ご提案させていただいています。
<居室>
・つまずきにくいよう、敷居の段差をなくす
・寝室は、トイレに近い場所に設置する
・居室内に手すりを設置する
<浴室>
・動きを補助するための手すりを設置
・出入り口の段差をなくす
・浴槽をまたぎやすいように、45cm以下の高さにし、欲槽底と洗い場の高低差をなくす
・滑りにくい浴室床材を使用
<トイレ>
・体を支えるための手すりを設置
<扉・照明>
・扉を、開閉しやすい引き戸にする、またはレバーハンドルを付ける
・照明のスイッチを、使いやすいワイドスイッチにする
もちろんお若いご家族が、全てを新築の時から組み込む必要はないかも
しれません。
しかし今はお若い方も、いずれは必ず高齢者となります。
いつまでも長く快適に過ごすことができるよう、私たちは先々を見据えた
間取りなどの家づくりを大切にしています。